社会保険未加入対策
標準見積書の一斉活用に向けて

建設業においては、法定福利費を適正に負担しない企業、いわゆる保険未加入企業が存在し、技能労働者の処遇の低さが若年入職者減少の一因となり、技能の継承が困難となっているほか、適正に法定福利費を負担する企業ほど受注競争上不利になるという不公正な競争環境が生じている。
こうした状況を踏まえ、現在、建設業に携わる関係者が一体となって、社会保険未加入問題に対する総合的な対策を進めているところであるが、この対応を徹底するためには、技能労働者を雇用している我々専門工事業者が、社会保険料を支払うための法定福利費を確保することが必要不可欠である。
このため、今般、国土交通省、厚生労働省、建設業関係団体等で構成される社会保険未加入対策推進協議会において、「法定福利費の内訳明示に係る標準見積書の活用等による社会保険未加入対策の更なる推進について」の申し合わせを行い、法定福利費を確保するための取組を一斉に開始することとなった。
この申し合わせを踏まえて、全管連では、さる10月17日に開催した第316回理事会において、標準見積書案の承認をいただいた。本見積書案の作成にあたっては、国交省の指導を得て、「設備工事業」として業界一本化した標準見積書とするため、(一社)日本空調衛生工事業協会と連携を図って作成した。標準見積書の詳細は、会員通知をご覧ください。(ホームページより「会員通知」内に掲載しています。(会員専用))
なお、全管連では、標準見積書の活用として、今後、所属会員企業に対し、次の3点について、対応いただくよう協力をお願いしている。
①元請企業に見積書を提出する際には、全管連の標準見積書を参考として、法定福利費を内訳明示した見積書を提出する。なお、この法定福利費の額は、本来、個別工事ごとに各社が算定するものであり、各社の施工実績等に基づいて法定福利費を正確に算定することが可能な場合、全管連作成の標準見積書が各社の算定を妨げるものではない。
②下請企業に発注する際には、当該下請企業に対し、法定福利費が内訳明示された見積書の提出を求める。
③下請企業から提出された見積書については、これを適切に評価して必要な法定福利費を含む契約を行う。
さて、国土交通省では、平成29年度を目途に建設業許可業者の社会保険加入率100%、労働者単位では製造業相当の加入状況を目標に掲げ、平成30年以降は、未加入企業とは契約せず、未加入労働者の現場入場も認めないという確たる決意を表明している。
保険加入の徹底は、決して新たな規制をかけようという取組ではない。けがや病気に備え、また、老後の生活の糧を確保するなど、そこに働く者たちが安心して暮らすための基本ともいえる最低限の社会保障制度である。
その費用を負担することは、「人」を雇用する企業の義務であることをご理解賜り、会員各位の協力をお願いする次第である。