新年年頭ご挨拶

-大澤会長年頭所感
ライフラインに携わる者として
この国の復興を全力で支援しよう-

全国管工事業協同組合連合会
会長 大澤規郎

新年のご挨拶を申し上げます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
昨年を振り返りますと、3月11日、東北地方でマグニチュード9.0の大地震が発生しました。「東日本大震災」と名付けられたこの地震により、東日本の太平洋側に大津波が押し寄せ、沿岸部に壊滅的な被害をもたらしたほか、その後の不安定な電力供給やサプライチェーンの寸断などにより日本経済が混乱を来たし、国家的非常事態に直面しました。震災より10ヶ月が経過し日々復興に向かっておりますが、死者・行方不明者は1万9000人余り、今もなお33万人の方々が避難生活を強いられております。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
本会では、発災直後より厚生労働省や(社)日本水道協会などと連絡を密にし、救援対策本部を設置して震災関連情報を会員組合にその都度発信しました。また、被災地域の会員組合へ救援物資を緊急搬送するとともに見舞金を手渡しました。さらに、会員組合からの義援金7700万円を厚生労働副大臣に手渡すなど、会員企業を含む被災者の支援に奔走いたしました。
一方、被災事業体からの応援要請による本会所属組合の応急給水、応急復旧活動も積極的に行われ、64会員組合による延べ作業日数3700日、延べ作業者数5万2000名による懸命な応急救援活動が、被災地域のライフライン復旧の一翼を担ったことは言うまでもありません。昨年8月、厚生労働省健康局水道課より事務連絡「給水装置工事の適正な施行について」が発出されましたが、我々の念願であったこの通知の実現は、今般の震災において我々配管技能者が水道施設での応急復旧工事で中心的な役割を果たしたことに対し、国もその献身的かつ確かな仕事ぶりを高く評価するとともに、命の水を支える配管技能者の重要性を再認識した証しと言っても過言ではないでしょう。  また、全管連ではこれまでも日水協と災害協定の覚書を締結し、水道工事業者のための応急復旧工事対応マニュアルを作成するなど、平時より災害への備えを図ってまいりましたが、今後想定される大災害に対し、今回の経験を大いに活かすべく対応してまいります。昨年9月には、被災被害の大きかった各県支部と意見交換会を行い、これら貴重な意見を踏まえ、応急復旧工事対応マニュアル改訂のためのワーキンググループを設置して種々の論点を整理・検討しており、今年5月の理事会における提言を目途に進めております。全管連はこれからも、水道工事業者で組織する唯一の全国団体として、会員各位とともに地域住民の生活を支えてまいります。
ところで、今回の震災では、被災地からNS管やSⅡ管の耐震管の被害は全く報告されておりません。極めて高い耐震効果が実証されました。このことは、今後の耐震化の促進に追い風となるはずです。
今後本格化する水道施設の復興工事や耐震工事では、その施工にあたり地域に精通し、信用と実績がある全管連の地元会員企業を活用いただくよう関係機関に強く働きかけてまいります。
さて、今年の総会は、北信越ブロック福井県支部の福井県管工事業協同組合連合会(会長・冨田行雄氏)に担当いただきます。震災により開催が1年繰り下げとなっておりましたが、地元福井の組合においては、気持ちも新たに参加される方々を迎える準備に入っております。全国から会員各位の多数がご参加を賜りますようお願い申し上げます。  おわりに、会員団体の一層のご発展と所属員各位の事業のご繁栄を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。