-4月1日施行 「防災協定締結」 加点3点から15点へ引き上げ-

 国土交通省は、建設業者が受ける経営事項審査の審査基準を大幅に改正するため、建設業法施行規則を1月31日付けで官報告示し、建設流通政策審議官名で本会あて通知を行った。通知の内容は次のとおりです。 経営事項審査の改正の概要は国土交通省のホームページを参照下さい。

経営事項審査の改正等について

 経営事項審査は、公共工事の発注における企業評価のいわば共通の物差しであり、企業経営の実際に与える影響も大きいため、その評価項目や基準については、社会経済情勢が変化する中でも評価の適正を欠かないよう、また、企業行動を歪めることのないよう、適時の見直しが必要である。また、経営事項審査が適切に機能するためには、審査の公正を確保するとともに、その適切な利用を図ることが必要である。
こうしたことから、中央建設業審議会ワーキンググループ経営事項審査改正専門部会において、経営事項審査が公共工事の企業評価における共通の物差しとして、公正かつ実態に即した評価基準となるよう、また、生産性の向上や経営の効率化に向けた企業の努力を評価・後押しするものとなるよう見直しがなされたところである。
今般、これらを踏まえつつ、中央建設業審議会の意見を聴いて、建設業法施行規則の一部を改正する省令(平成20年1月31日国土交通省令第3号)が公布され、また、建設業法(昭和24年法律第100号)第27条の23第3項の規定に基づき、平成20年1月31日国土交通省告示第85号が制定され、それぞれ平成20年4月1日から施行することとされた。
今回の改正の主要な内容は下記のとおりであるので、貴団体におかれてはその趣旨を十分御理解の上、傘下の建設業者に対して周知指導方取り計らわれるようお願いする。

1. 評価項目及び基準の見直し

1)

規模評価(Ⅹ1、Ⅹ2)の見直し
今後、建設市場の量的拡大が望めないなど建設業を取り巻く環境が大きく変わる中で、企業評価においても、量的な側面だけでなく質的な側面を重視する観点から、Ⅹ1の完成工事高については、評点が上限となる金額を引き下げ、これに伴って評点分布を圧縮するとともに、総合評定値の算定に際して完成工事高の評点(Ⅹ1評点)に乗じる係数を引き下げることとした。
また、現在は自己資本を完成工事高で除した値、職員数を完成工事高で除した値を評価しているⅩ2について、これらの評価項目を廃止し、これらに替えて、利益額及び自己資本額を評点化して評価することとした。利益額としては、会計基準による差異が小さく、年度の変動も小さい利払前税引前償却前利益を採用することとした。なお、総合評定値の算定に際してⅩ2に乗じる係数を引き上げることとした。

2)

経営状況評価(Y)の見直し
経営状況分析については、企業実態を的確に反映させるために、評点分布と評価項目を全面的に見直した。評点分布については、ペーパーカンパニーが実力に見合わない高得点を取ることを防止するなど企業実態と乖離しないように見直した。評価項目については、評価の内容が固定資産など特定の指標に偏らないようにし、絶対値の指標も取り入れ、負債抵抗力、収益性・効率性、財務健全性及び絶対的力量を評価できる指標として、新たに純支払利息率、負債回転期間、売上高経常利益率、総資本売上総利益率、自己資本固定資産比率、自己資本比率、営業キャッシュフロー、利益剰余金の八指標を選定した。
また、最近の企業評価において連結評価が主流となっていること、子会社との間の経理操作等を排除した的確な評価を行う必要があることから、連結財務諸表の作成を義務付けられた会社(会社法の大会社かつ有価証券報告書提出会社)については、連結財務諸表により経営状況の審査をすることとした。

 3)

技術力評価(Z)の見直し
技術職員の評価については、技術職員の人数だけでなく、技術職員の能力、資格、継続的学習への取組等を反映したきめ細かな評価を行う観点から、新たに建設業法施行規則に位置付けられた登録基幹技能者講習を修了した基幹技能者を加点評価し、専門工事業における人材育成の取組みを評価するとともに、監理技術者講習の受講者について加点評価することとした。
また、専門工事業などの建設業者の業種ごとの得意分野を適切に評価する観点から、技術者の重複カウントを1人2業種までに制限することとし、これに併せ、技術職員の評価に関して2期平均を採用する激変緩和措置を廃止することとした。
さらに、公共工事の元請負人として求められるマネジメント能力を的確に評価する観点から、マネジメントをした工事の積み重ねを量的に評価できる元請完成工事高を評価することとした。
なお、総合評定値の算定に際して技術力の評点(Z評点)に乗じる係数を引き上げることとした。

4)

社会性評価(W)の見直し
企業の社会的な責任(CRS)に対する関心が高まる中、建設業においても、社会的責任を適切に果たしている企業を高く評価する観点から、既存の評価項目のうち、労働福祉の状況、建設業の営業年数、防災活動への貢献の状況については、加点幅及び減点幅を拡大し、社会的責任の果たし方によって差が付くような評価体系とすることとした。
また、入札談合等の不正行為が相次ぐ中、企業活動における法令遵守の状況を適切に企業評価に反映できるよう、建設業法に基づく行政処分を受けた場合に減点評価することとし、併せて、経理面でのコンプライアンスの取組みを評価するため、会計監査人又は会計参与の設置の状況や社内における経理のチェック体制を加点評価することとした。研究開発の状況についても、Wにおいて評価することとし、研究開発費の額を評点化して評価することとした。
なお、こうした見直しにより、W評点の上限は引き上げることとしたが、総合評定値の算定に際してW評点に乗じる係数は現行通りとした。

2. 経営事項審査の虚偽申請の防止

 公共工事の入札契約の公正を確保するために虚偽申請を徹底して排除する観点から、今般新たに虚偽を行いにくい制度を導入するとともに、虚偽申請に対するペナルティを強化することとした。
企業の経理については、企業規模等によって監査の体制等が異なるが、厳正な経理に取り組んでいる企業を評価する観点から、Wにおいて、会計監査人や会計参与を設置している企業に加点評価することとした。また、これらを設置していない企業についても、経理に関する資格を有する企業の経理実務責任者が経理処理について一定のチェック項目を確認した旨の書面を自らの署名を付して行政庁に提出する仕組みを創設し、これについては、Wにおいて加点を行うこととした。なお、以上のような加点評価を受けたにもかかわらず、後日、経営状況について虚偽申請がなされた場合には、加重して監督処分を行うこととする。
また、虚偽申請に対するペナルティを強化する観点から、国土交通大臣の許可業者に対して適用される監督処分基準においては、経営事項審査の虚偽申請を行った建設業者に対しては、15日以上の営業停止処分がなされることとなっているが、虚偽申請の排除の徹底を図るため、これを倍増することとする。

3. 企業形態の多様化への的確な対応

 近年の会社法制の整備等を背景に、持株会社化、分社化など企業が多様な経営形態をとることができるようになっており、建設業においても、各企業が最適と考える経営形態を採用できるような条件整備が必要であり、経営事項審査が企業の経営形態の選択を阻害しないようにすることが必要との観点から、企業集団に適用される評価制度を新たに創設することとした。企業の実態に見合わない評価とならないよう、また、不良不適格業者による悪用を防止できるよう、完成工事高や技術者数については個別企業の実際の数値に基づいて評価するものの、経営状況については、子会社でも親会社の連結財務諸表に基づいて評価することとした。これにより、子会社であっても企業集団の一員としての実態のある場合には、経営状況の評価が不利なものとならないようにすることができることとなる。

4. 経営事項審査等に係る負担の軽減

 経営事項審査の申請に当たっては、多くの種類の申請書類、添付書類、申請事項を証明する書類等の提出が必要であるが、申請する企業にとっては負担と感じられているところであり、虚偽申請の確認に支障を来さないよう十分に留意しつつ、経営事項審査、さらには許可申請における負担を軽減することとした。
完成工事高が1千億円を超える企業において、1千億円を超える部分の工事について工事経歴書への記載の省略を認めることとした。また、許可申請時において有価証券報告書提出会社においては、有価証券報告書の写しの提出をもって規則別記様式17号の3附属明細表の提出を免除することとした。