東日本大震災

-ライフラインの復旧急ぐ-

本会では救援対策本部を設置
大澤会長が被災地を視察
1都1道5件支部の組合が応急復旧応援

3月11日、午後2時46分に発生した「平成23年東北地方太平洋沖地震」は、死者1万1千人以上、約2万4千棟の家屋が損壊(3月28日現在)するなど、戦後最大級の大災害となった。特に、水道をはじめとするライフラインはいずれも壊滅状態で、浄水場、導水施設、配水施設に被害が生じ、3月28日現在で、9県で約36万世帯が断水しており、全面復旧するのにかなりの時間を要するという深刻な状況である。
本会では、12日に救援対策本部(本部長・大澤会長)を設置。大澤会長、杉山災害対策担当理事が17日に仙台入りし、お見舞い金を贈呈するとともに今後の対応策を検討した。18日には「第一回全管連救援対策本部会議」を開催し、今後の対策について協議した結果、本会会員所属会員から義援金を募ることなどを決定した。また、19日は茨城県連、千葉県連等を視察した。
3月24日までに、カセットコンロ19台、ボンベ1600個等の緊急救援物資を宮城県連、福島県連(いわき市組合)に搬入した。
本会会員である北海道、青森県、秋田県、山形県、東京都、神奈川県、新潟県の各支部の組合でも、すでに各水道事業者と協同して救援体制をとり、被災地に救援班を送り込むなど、業界一体となった救援活動が展開されている。

主張
東日本巨大地震 被災地組合員の不眠不休の活動に感謝

平成23年3月11日、午後2時46分。マグニチュード9、震度7。東北地方太平洋沖地震は大津波とともに、多くの尊い人命を奪い、壊滅的な被害をもたらした。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。
被害の全貌がまだつかみきれていない状況の中で、国においては、まず何よりも人命の救助と被災者の救援を最優先に全力で取り組んでいるところである。
全管連では、「東北地方太平洋沖地震救援対策本部」を翌日に設置、厚生労働省水道課及び日本水道協会と連携して被害状況の調査・把握、その対応等について総力を挙げて取り組んでいくこととした。
厚労省によると、上水道の被害は、浄水場の機能停止や管路の破断、流出などの原因による断水は13日午後11時時点で14県140万戸に及ぶと発表し、被害状況の調査が進んだ16日には180万戸まで増え続けた。
一方、日水協では、第一次先遣隊が15日に仙台から帰京。応急復旧における応援体制を整えるために必要な情報として、今回の地震がこれまでの大規模地震と比較しても格段に被害が甚大で広範囲にわたっていることから、マニュアル等で規定された枠組みに捉われず柔軟に臨むことを確認。また、何よりも長期戦で臨む覚悟が必要であると報告された。
このような動きの中、全管連では大澤会長、杉山災害対策担当理事が現状を把握し、今後の対応を検討するために被災地を視察することを決定。地震発生から7日目の17日に宮城県仙台市と福島県郡山市に支援物資(ペットボトル、マスク、カセットボンベ等)をトラックに積み込み、また、19日には千葉県と茨城県日立市を訪問し、お見舞い金とともに手渡した。
中で、宮城県管工業協同組合渡辺理事長(本会副会長)からは、「地震発生から一週間が経ちますが終息の兆しが全く見えない。想像を絶する修羅場で、特に不眠不休で応急復旧に立ち向かっている組合員にとってガソリンと食料の不足が深刻である。また、事故を起こさないための休息も必要。この惨状を受け入れ、今我々ができることを精一杯やり、復興のために頑張っている。政府には現場の人間が最大限の力を発揮できるよう全力での支援を全管連を通じてお願いしていただきたい。」と要請された。
これを受けて、大澤会長は、「とてつもない人的被害の懸念が現実のものとなっている。過去に例がない事態である。被災地で救援活動、復旧工事に全力を注いでいる会員企業の皆様に対しては、頭が下がる思いでいっぱいです。この苦難を全管連として、しっかりと受け止め、国等に要望すべきことははっきりと申し上げ、長期戦を覚悟し、我々の組織力と技術・技能を結集して、しっかりと腰を据えて水道復旧に対応する。」と述べ、全面支援を約束した。
本災害では、人命の救助、原発をめぐる状況、ライフラインの確保・復旧、物資流通等、課題は山積である。しかしながら、我が国の復興への意欲を被災地はもちろん国民全体が持って頑張っていくことが、この困難を乗り越えられる力になると確信している。
水道事業の一日も早い復興へのご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。