「スクール・ニューディール」という言葉をご存知だろうか。ニューディール政策と言 えば、1933年にアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌を克服するために行った、大規模公共事業などの経済・社会政策であり、その政策をなぞって、昨今の世界同時不況を念頭に、しかも学校を舞台として、乗り越えようという政策である。  そもそもスクール・ニューディール構想は、今年4月に政府・与党で決定した「経済危機対策」の中で打ち出されたもので、その裏付けとして5月末に成立した総額約14兆円にも上る補正予算のうち、何と1兆3千億円が文部科学省に充てられていて、うち4800億円余りがスクール・ニューディール構想の推進に充てられている。  その内訳は、学校の①耐震化、②エコ化、③ICT(情報通信技術)化の三本柱から成り立っており、特に②のエコ化の推進では、節水型トイレ、省エネ機器の導入による省エネ改修やエコ改修のための予算が確保されている。
 また、今回は、補助金だけでなく臨時交付金も手当てすることで、国の負担が平均93%、地方公共団体の実質的負担が平均3.35%まで軽減されている点である。
 もちろん、これらの措置は、財源が確保されたということであって、市町村や教育委員会が活用しなければ実現しない。「百年に一度」とも言われる経済危機の中において大型の予算が手当てされたのだから、自治体においては、地域の学校施設が良くなるよう、積極的な活用を図ってほしいところである。  ところで、学校トイレは、子供たちが支障なく学校生活を送ることができるよう配慮するだけでなく、災害時の避難拠点としての役割を担う施設として、多くの避難者が利用することとなる。実際、2007年の新潟中越地震のアンケートでは、困ったことのトップが食事や防寒を抑えてトイレという結果であった。  さらには、学校のトイレ研究会の報告では、子供を持つ親からの切実の声として、次のような意見が数多く寄せられているという。近隣公立学校は、『古い、汚い、臭い』トイレのままで、多くの子どもたちが学校のトイレは汚いから極力使おうとしない。下校途中、学校から近い我が家のトイレに息子の友達が良く立寄ります。『学校のトイレは臭い』から限界まで我慢するそうです。身体にどれだけ悪いかと思うと恐ろしくなります。トイレを我慢している子どもたちが不憫でなりません。本当に学校のトイレを何とかして欲しいです。
 今回の施策は、文部科学省から県や市町村に通知され積極的な取り組みを呼び掛けているが、反応は鈍いと聞き及んでいる。以上のような声を踏まえ、地方公共団体のトップにしっかりと業界として市民の声を伝え、バラまきとマスコミ批判はあるが、スクール・ニューディールは必然性が極めて高いことを周知いただきたい。
 この構想を進めるに際して文科省では、地元中小企業の受注機会の確保に努めるよう要請する。この点も我々業界にとって強い追い風である。ぜひとも、この機会を的確に捉え、仕事に繋がる千載一遇の好機と位置づけていただきたい。  学校の将来を見据え、教育委員会や建設・施設整備担当部局など、発注機関による発注情報を把握するなど、このチャンスを逃さないように着目していただきたい。