大澤会長年頭所感

-労働環境の改善を通じ若さあふれる建築業界を構築しよう-

全国管工事業協同組合連合会
会長 大澤 規郎


新年あけましておめでとうございます。
皆様には、健やかに新春をお迎えのことと謹んでお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、第二次安倍内閣のデフレ脱却と経済再生を目的とする「アベノミクス」により、企業が輸出競争力を取り戻すとともに消費者心理の改善が内需を下支えすることで、上場企業の業績が回復傾向を示すなど、日本経済は長いデフレのトンネルを抜け、好循環の波に乗りつつあります。
建設業においても、東日本大震災からの復旧・復興需要や、2012年度補正予算による政府建設投資の伸びなどにより、今年度の建設投資見通しは前年度比11.2%増の49兆9500億円に達したほか、公共工事設計労務単価の大幅な引き上げや東京オリンピックの開催決定、リニア新幹線のルートの公表など、例年になく明るい話題が行き交っております。
しかし、これらの恩恵は、まだ我々中小企業にまで及んでいないのが実情であり、技術者・技能労働者不足と労務費の高騰、円安の進行や需給の逼迫による資材価格の上昇、これらコスト高を起因とする採算の悪化、消費増税導入後の需要の反動減など、新たな課題も懸念されます。
全管連では、これら諸問題について、行政及び関係団体と連携を図ることで、会員企業が景気回復の恩恵を少しでも享受できるよう努力してまいります。
まず、社会保険未加入対策についてですが、昨年9月より標準見積書の一斉活用が開始され、取り組みが本格化してまいりました。所属員企業の皆様におかれましては、見積書等を作成される場合には、法定福利費を内訳明示した全管連の標準見積書を参考に、法定福利費の確保にご留意いただくとともに、下請企業から提出された見積書については、これを適切に評価して、必要な法定福利費を含む契約を行うよう、ご理解・ご協力のほど宜しくお願いいたします。  次に、水道施設の耐震化・老朽化対策についてですが、安倍内閣の推進する国土強靭化のためのインフラ整備計画に基づき、国もまた水道施設の維持・更新に取り組む姿勢を明確に打ち出しております。全管連では、昨年11月に発足した自由民主党水道事業促進議員連盟の設立総会において、東日本大震災における会員の応急復旧活動を報告するとともに、水道施設のさらなる耐震化と、施工時の地元業者の活用を要望いたしました。「水道」という重要なライフラインに携わる工事業者の中央団体として、今後も水道施設の耐震化や、老朽化施設の計画的な更新を訴えてまいります。
さて、今年7月に開催する通常総会及び全国大会等は、北海道ブロックの北海道管工事業協同組合連合会(会長・花松真一氏)に担当いただきます。開催地となる釧路市は、北海道の東部、太平洋岸に位置し、「釧路湿原」「阿寒」の二つの国立公園をはじめとする雄大な自然に恵まれた人口18万人余の都市であります。また、特別天然記念物の「タンチョウ」や、世界自然遺産への登録活動を推進している阿寒湖の「マリモ」など、世界的にも貴重で魅力あふれる地域資源に恵まれた、道内有数の観光地としても知られております。夏の釧路市は最高気温が20度前後と、非常に快適で過ごしやすいと伺っております。地元北海道連においては、参加される方々を迎える準備を進めておりますので、全国から会員各位の多数がご参加を賜りますようお願い申し上げます。
おわりに、会員団体の一層のご発展と所属員各位の事業のご繁栄を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。